富山県議会議員
平木 柳太郎さん(ひらきりゅうたろう)さん。
▼プロフィール
昭和59年、富山市生まれ。東京学芸大学教育学部在学時にアルバイトで学習塾の講師を経験。富山で就職後、24歳で独立して株式会社LearnPut(ランプット)を設立し、セミナー開催やコミュニティスペース「リタ・クラブ」を運営。平成24年12月に県議補欠選挙に立候補して富山県議史上最年少の28歳で初当選。現在2期目。
私の活動には3本の柱があります。1つ目は、Uターン促進。大学卒業後にUターンし、学生の就職支援を行う富山の会社に入社しました。でも、せっかく頑張って就職しても転職してしまう人がいることや就職後の支援ができない状況にジレンマを感じ、社会人をサポートできる場所を作るため、24歳で起業。最初に開設した街なかサロン「ポエシア・ブランカ」からはいろんな企画が生まれ、たくさんの起業家が巣立ちました。子どものためになることをしたいという思いと地域の人からの要望で、学童保育も行っていました。地域活性化に向け、地元に強い愛着を持つ富山出身者が活躍できるよう、支援していきます。
2つ目は、起業家や中小企業の海外進出支援です。学生のうち、1~3%は在学中に起業する人が現れるのですが、それを実業にしていける人は少ない。仮に就職しても、委縮してしまうか独立するかの2通りに分かれます。私は後者でした。起業家出身の議員としての経験から、行政の支援を当てにせず自分の力で頑張ることを応援したいのです。今の日本は市場縮小傾向のため、年商3,000~5,000万円なら地方でも実現できますが、それ以上を望むなら海外に事業進出する必要があります。行政が行うべき支援は海外進出時のイニシャルコスト補助や、現地のネットワーク構築で、行ったあとの展開は本人次第。外貨を稼ぎ、富山に持ってくることで強い地域経済を作ることが重要です。
3つ目は、少数派の政策支援。女性起業家の支援もここに入りますが、主に、LGBT(性的マイノリティー)の人達や障害のある子、家庭環境・いじめなどの課題を抱えている子ども達の支援を行っています。高岡高等支援学校の3年前の開設時から講師に招かれ、就職を目指す生徒たちの面接指導やマナー講座、健常者との付き合い方などの授業を担当しています。また、2年前から、児童自立支援施設・富山学園に通い、寮生活をする子ども達から心を開いて本音を話してもらえるよう、一緒にスポーツをするなど現場に入って環境整備に取り組んでいます。
これらは政治家になってから始めたわけではなく、元々テーマを持って続けてきたこと。行政としてすべきことを自分のマニフェストに組み込んでいるだけです。学生からよく「なぜ政治家になったんですか」と聞かれますが、たまたまやりたいことの延長線上に政治家があっただけで、選択肢の1つ。特別なことではないし、議員をやっていてもいなくても生き方は変わりません。①人生には選択肢がある、②他の人が興味はあるけどやっていない選択肢をやる前に、自分が挑戦してみんなに伝える…そんな生き方です。続けていくためにはもちろん、死にものぐるいの努力をしていかなければなりません。「生き急いでいる」と言う人もいますが、それが自分のテーマだからむしろ嬉しいです。
1番に考えるのは、「富山をどうやったら元気にできるか」。政策や大枠は行政がやることであり、その働きかけはずっとしていきます。けれど制度を作って終わりになるのは嫌なので、官民連携のあり方を常に考えています。民間がすべきことは後方支援にとどめておき、立ち位置をはっきりさせるようにしています。
好奇心が強く、0から1と次々に新しいものを作っていくことが楽しいです。1から100にする人や、50から1,000を作る人など、様々な人がいて成り立っています。生み出すパワーを持っている人は粗いけど少数です。
将来的には保育所や学習塾、学校など、子どもたちが幸せになれる場所を作りたい。それは富山に戻って来た理由の1つです。勉強の方法や考え方、社会の中で生きる知恵を教える半年間の期間限定学習塾や、幼児から中学生までが集まることができ、地域の人たちが見守る場があれば、地域社会の中で大人との関わりを通していろんなことを学べます。学習塾や学童保育で子どもたちにいつも言ってきたのは、「世界には勉強したくてもできない人がいる。今できることを一生懸命やればいい」ということ。自分の生き方に合っていると思えば前へ進んだ方が良いので、子どもたちには教育の場で適切な選択肢を与えてあげたいですね。
▼平木柳太郎氏 関連リンク
~取材を終えて~
迷いも曇りもない目で力強く話す平木さん。私が尊敬する人の1人です。子どもも大人も、平木さんのパワーに魅せられ、自分の道を歩み始めた人は多いと思います。将来、ぜひ市長にもなって富山をさらに盛り上げていってほしいですね。
ライター: VoiceFull 古野知晴