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何事も自分たちだけではできません。いろんな人の手を借りてやっています。- Shigako Sunada 砂田志賀子氏 –

何事も自分たちだけではできません。いろんな人の手を借りてやっています。- Shigako Sunada 砂田志賀子氏 –

滑川市児童館 館長
砂田 志賀子(すなだ しがこ)さん

 

▼プロフィール

滑川市出身。昭和54年に滑川市役所に入庁し、平成28年4月23日にオープンした新しい滑川市児童館の館長に就任。就任以前は子ども課の課長と児童館の建設室長を兼任し、子育て支援策のひとつである児童館のオープンに尽力した。自身も3人の子を持つお母さん。

 

以前の児童館の老朽化に伴い、「①子どもたちの遊び場、②お母さんたちの交流の場、③地域の方たちの交流の場」として、新しい児童館を建設しました。木の温もりが溢れ、遊び心のある建物で、児童館の本来の目的である「子どもが元気に遊べる場」を目指しています。

 

現在、市内から約80%、市外から約20%の、1日平均200人弱が訪れます。子どもたちは、やんちゃだけどとても素直。挨拶などの基本的なマナーを守り、小さい子に優しくしてくれています。みんなが怪我をせず元気に遊び、「楽しかったよ」と笑顔で帰ってほしいです。また遊びに行きたいと思ってくれるように、「また来てね」と声をかけています。

赤ちゃんを持つママには、家にこもっているだけでなく、友達作りや気分転換に「赤ちゃんの部屋」へ来てほしいですし、「ここができて良かった」と、孫と毎日来てくれるおばあちゃんやおじいちゃんもいます。

 

忙しくても、目をキラキラさせている子どもの笑顔を見ると、とても充実感があります。お友達や相手を思う気持ちを育み、ゲームの順番を守るなどの経験を通して、心も体も素直に成長し、将来を担う人になっていってもらいたいと考えています。

職員は5人おり、みんな保育士や児童厚生員の資格を持っています。気になる行動をする子どもがいたら声を掛け、必要なときは小学校等他機関との連携を取り、情報共有しています。

 

何事も、自分たちだけではできません。周りに助けられて今までやってこられました。施設を運営するにあたっても、いろんな人の手を借りています。「以前の児童館でお世話になったからここでボランティアしたい」と来てくれる中学生や、勉強しながら保育士を目指すアルバイト、学生ボランティアの人達が手伝ってくれています。子どもたちがリピーターになって来てくれるのは、スタッフが一生懸命やってくれている成果だと思います。

 

午後5時になると1人で来ている子は帰宅する時間なので、5時半までに家に帰れるようアナウンスします(親と一緒の子は6時まで)。

7月からは、児童館サマーキャンペーンとして、4時45分になったら「楽しく遊んだ児童館のお掃除タイム」としました。子どもたちは、「お掃除タイムまだ?」と遊びの1つのして楽しみながら一生懸命にお手伝いしてくれています。また、進んでお手伝いしてくれる子のママが、「家でもお掃除してくれるようになった」と喜んで教えてくれました。もちろんママたちもお手伝いしてくださいます。好評だったため、現在も引き続き行っています。

 

平成25年の構想から始まり、児童館整備基本計画を策定、それに基づいて用地交渉や地盛りをし、建設に3年かかりました。オープンしてからは現場でやってみないとわからないことばかりで、夏休みが終わるまでは挑戦と失敗、葛藤だらけでした。それでもオープンして4カ月、夏休みの終わりに入館者2万人を達成することができ、まだまだこれから気を引き締めていかなければならないと感じています。

 

子どもたちみんなに気持ちよく遊んでもらうには、大人や親が子どものお手本とならなければなりません。ハード面では楽しく綺麗な建物があるので、これからはイベントや職員対応など、ソフト面で充実させる仕掛けが大切だと考えています。「こうしてくれたらいい」という指摘や要望をもらったら、素直に受け止め、すぐに対応します。有意義な声はたくさんほしいと思っています。

 

流しそうめんやサマーキャンプなど、特別なイベントのほかには、毎月3~4回、月替わりで異なるクラフト教室を行っています。また、夏休みには調理室でのポップコーン作りやスイカ割りなどをしました。みんなで遊びを作って行けるよう、子どもや保護者からやりたいという提案や周囲の環境、地域との関わりが持てるような取り組みを積極的に取り入れ、何かを体験して帰れるようにしたいと日々考えています。

 

現在は、来年4月の1周年記念イベントに向けて準備を進めています。さらにみんなに喜んでもらえる児童館にしていきたいです。

▼滑川市児童館関連ページ

滑川市公共施設ガイド/児童館

 

 

 

~取材を終えて~

砂田さん自身も、既に社会人となったそうですが3人の子がいるお母さん。育児休業制度のない時代に、「保育ママ」と呼ばれるシッターさんに預けて産後2カ月で復帰するなど、働きながら子育てをやってこられた先輩です。気さくで明るい砂田さんは、若いママたちの相談にも優しく乗ってくれますよ。

ライター:VoiceFull 古野知晴