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100年続くものが伝統なら、その伝統を今から作ってもいいんじゃないか。 – Kazuchika Hirohashi – 廣橋和親氏

100年続くものが伝統なら、その伝統を今から作ってもいいんじゃないか。 – Kazuchika Hirohashi –  廣橋和親氏

滑川市観光協会 事務局長
廣橋 和親(ひろはし かずちか)さん

▼プロフィール
高岡市出身の54歳。今年で7年目を数えた滑川市の「ベトナムランタンまつり」の立ち上げから携わり、恒例イベントとして定着させてきた。男手ひとつで2人の子どもを育てるイクメンでもある。

 

ベトナムランタンまつりは、ベトナム・ホーチミンのホテルで当時営業部長をしていた富山県出身の清水由美さんから、旧宮崎酒造のある瀬羽町の雰囲気がベトナムの港町ホイアンに似ていると聞き、にぎわい創出の起爆剤にしようと平成22年から始めた事業です。滑川市の橋場・瀬羽町の再生計画を引き継いだ(株)まちづくり工房の事業として実行委員会を立ち上げました。当時『海上の道(著・柳田国男)』にヒントを得て、滑川で開催されている「ふるさと龍宮まつり」に呼応させるように「龍宮城はベトナムにあるらしい…」というコピーをつけました。

 

大学時代は建築科で都市計画やまちなみ再生などを調査していました。まちづくりに携わったきっかけは、平成21年、まつりの舞台である旧宮崎酒造の所有者の金山さんと偶然出会ったこと。47歳で(株)まちづくり工房に入り、平成24年からは滑川市観光協会で働いています。

 

まつりを行う中で感じたのが、子どもたちには自分が生まれ育った滑川市を大好きになって欲しいということ。「地元の自慢」は子どものアイデンティティを形成し、大きくなって世界のどこへ羽ばたいても周りに伝えられるものです。ランタンまつりもその自慢の1つになってくれたら嬉しいですね。100年続くものが伝統なら、その伝統を今から作ってもいいんじゃないかと思いました。7年目の今、実行委員会に若い人達が増えました。彼らが中心となり、肩ひじを張らずに出店者も出演者も参加者もみんなが楽しめるよう、ゆるく続けていってくれたらと考えています。

 

滑川市の観光は、春のホタルイカをはじめ、花しょうぶや県内外での出向宣伝、姉妹都市交流など多岐にわたります。今年は観光遊覧船「キラリン」での富山湾岸クルージングが始まり、ダイビングスポットとしても注目されていることから、船とホタルイカミュージアム、徳城寺での座禅などを組み合わせ、2~3時間の滞在メニューを作りたいと考えています。宿場街道や歴史街道、美しい富山湾クラブ、立山黒部ジオパークなど、元々ある資源を活かして滑川の魅力を伝えられる観光素材が集まってきたため、それを取りまとめて子どもたちの記憶に残るメニューとして整備していきたいです。

 

今後は滑川市単独でなく、上市町や魚津市とも観光連携し、広域での滞在時間の延長や人の交流・観光を促進していきたいと考えています。滑川市が周辺市町村の観光のハブ(ネットワークをつなぐ中継地点)としてNo.1になるよう、目指していきたいです。

 

▼廣橋和親氏 関連リンク
滑川市観光協会 Facebookページ

 

 

 

 

~取材を終えて~
近年、滑川市では「滑活交流会」や「N+D=! プロジェクト」「だるまさんがころんだ」「あかりがナイト」など、若い世代を中心に様々なイベントが生まれています。廣橋さんは、イベントの届け出や駐車場の確保など、ノウハウを提供し個人的に後方支援している、影の立役者。旧宮崎酒造を活用しての音楽イベントも、不定期に開催しているそうです。

ライター:VoiceFull 古野知晴(ふるのちはる)

 

▼バンドネオン×コントラバスLIVE @旧宮崎酒造 2016.10.3 ライブ情報

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