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「誰も」が夢や希望を持ってスタートラインに立てる社会を! -Eiko Okuno- 奥野詠子氏

「誰も」が夢や希望を持ってスタートラインに立てる社会を! -Eiko Okuno- 奥野詠子氏

富山県議会議員  奥野詠子(おくのえいこ)さん

富山市出身、順天堂大学卒。富山テレビ放送株式会社の報道部記者を経て、平成23年4月に県議に初当選し、現在2期目。自民党会派29人中、唯一の女性議員。富山県バウンドテニス協会会長なども務めている。

 

「政治」って難しく考えられがちですが、生活に結び付いていることはすべて政治の入口と言えます。みんなが意識していない、身近な話が根っこにあります。「政治の役割」は、世の中のルール・仕組みを作ることです。個人の努力ではできない、行政だからこそできることがあります。私は特にこれまで光が当たらなかった分野に光を当て、突破口を作りたいと思い、制度の新設や改正を政治活動の中心にしています。

 

その1つが、障がい者施策です。今年の4月から「障害者差別解消法」が施行されました。以前、富山県では採用試験において点字受験が認められておらず、視覚障がい者の方は受験ができませんでした。数年前に議会の場で点字受験できるように働きかけ実現しました。ハンディキャップがあることでチャレンジできないのはおかしい。チャンスは平等にあるべきです。そのために、私は今後も受け皿を整備していきます。

 

もう1つが、女性施策です。現在、富山県は不育症支援(検査と治療の一部を補助)においては日本一です。「不育症」とは、妊娠はするものの流産や死産をくり返す場合を指し、「不妊症」に比べてあまり認知されていません。不育症は適切な治療を受ければ85%が無事に出産できるようになります。

 

富山県には不育症の第一人者で厚生労働省の不育症研究チームの代表も務めた富山大学附属病院長の齋藤滋先生がいらっしゃるという恵まれた環境です。流産を繰り返すことで傷ついている女性やその家族の気持ちはもちろん、不育症治療の重要性を行政に理解してもらえるよう齋藤先生に後押ししていただいたことで、富山県の不育症支援策は誕生しました。

 

最近は、議員提案で条例を作ることにも力を入れています。今年の11月議会にて「犯罪被害者等の支援に関する条例」の上提を目指しています。特に性犯罪や性暴力は、警察に届け出る数が少なく、かなりの暗数があります。相談体制の整備・充実により、被害者の精神的なケアや捜査等における二次被害を防ぐための取り組みについても条例案の中に含まれています。

 

政策や制度はできるだけ多くの人達にとって良い制度であることが大原則です。障がいのある方、不育症や犯罪被害にあう人は県民全体から見ると少数かもしれませんが、そういった人たちの声に耳を傾け、きめの細かい対応をしていくことが、県民全体の幸福度の向上にもつながっていくと信じています。

 

いろいろな人の意見や思いを受け止めた上で、とりまとめ、議論の末に実現し、現場の方が喜ぶ姿を見ることが私の政治家としてのやりがいです。前職のテレビ報道記者の仕事で現場に足を運んで話を聴いた経験が今も活かされており、インターネット上の情報だけでなく、温度や雰囲気をどう感じるかを重視しています。

 

今後も、「誰も」がこの社会に夢や希望を持って挑戦するためのスタートラインに立てるような土壌(社会)を作るために、精一杯取り組んでいきます。

 

▼奥野詠子氏 関連リンク

奥野詠子Facebook

奥野詠子公式サイト http://www.okunoeiko.jp/

 

 

~取材を終えて~

奥野さんにざっくばらんに話していただき、これまでよりも政治が身近に感じられました。選挙に行かないという選択肢を取る人もいますが、より良い世の中にしたいという思いは同じだと思います。誰もが暮らしやすい世の中を作るため、意識して関わっていきたいと思いました。

ライター:VoiceFull 古野知晴(ふるのちはる)