コスモ生涯学習アカデミー 主宰 尾山敦子さん
富山県出身。元KNB(北日本放送)アナウンサー、県内外での講演・研修活動を通して「輝きアドバイザー」として、愛ある話し方・生き方を提唱している。
大切にしているのは、「慈愛を持って世の中の人のために貢献していく」ということです。自分の行動は、全てそれに基づいているかを判断基準にしています。迷った時は立ち止まり、「これって何のためにやろうとしているんだろう」と振り返っています。
平成3年にバブルがはじけ、主人の会社が倒産して全てを失いました。それまでお金に困ったことはなかったのが一変し、子ども3人を抱えてどん底に落ちました。その時人間の本質を見て、本当に大事なものは何かを知ったのです。信じていた人に裏切られ、たくさんの人が離れていきましたが、心ある人はそばにいてくれました。ある経営者の方から言われたのが「どんなに辛くても笑顔で運命を切り拓け」。ここで「人の生き方は決まっている。ひどいことが起こるのは自分に大きな役割があるからだと信じて立ち上がろう」と思えました。
何かが起こった時、人間は最初に自分を責め、次に「人のせいだ」と他責に転じ、そして社会や環境を責めます。けれどその状態では好転しません。苦しみからどうしたら抜けられるかを考え、人のせいにしなくなった時が、機が整うチャンスです。人やもの、本、自然、状況など、様々な「兆し」が気付きとして怒涛のようにやってきました。
まず自分の中で何が原因だったのかを具体的に分析し、相手がそうする理由があったことに気付き、受け入れ、許します。「自分の未熟な部分に気付き、人間としてのステージを上がれたのはあの人がいたから。」私の成長のためにあえて嫌な役を引き受けてくれたその人に「ありがとう」と思えた時、自分を責める気持ちも恨みも全て溶けていました。
そこから出会う人の質が変わり、今があります。
伝えたいのは「私心(ししん)なく」ということ。これは「私が私が」という自分だけの軸ではなく、「私たち」「社会」という広い視野で考え、「誰かのために自分の能力を使ってください」という思いでかけがえのない役割を担っていくことです。相手の良い物を引き出し、みなさんがより良く生きられるような愛ある生き方を、これからも伝えていきたいと思っています。
▼尾山敦子氏関連リンク
~取材を終えて~
温かく、大きく包み込まれるような雰囲気の尾山先生。お話をすると発想の転換ができ、一歩前に進めるような、不思議な感覚を受けました。ほかにも「砂浜の足跡」の話や子育ての話などをしてくださり、まだまだ書き足りません。でも、それはまた別の機会に…。インタビューを機に、改めて自分の役割とは何なのかを考えてみようと思いました。
ライター: VoiceFull 古野知晴(ふるのちはる)
なお、尾山先生は、知的障がいの方やその兄弟を支援するボランティア団体「富山パイロットクラブ」に所属。5月17日(火)には20周年記念イベントとして、富山県護国神社で篠笛と詩の朗読のチャリティーコンサートが開催されます。呈茶サービスもあり、おすすめです。ぜひご参加ください。<富山パイロットクラブ20周年チャリティコンサートのお問合せはこちら>